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「永遠」の話。

2007年09月19日 17:19

深い森の奥深くの、とある日の出来事から始まる。

普段の森は、絶えることの無い静寂で包まれている。

しかし、普段の静寂を打ち壊す程の騒音が、森中に響き渡っている。

何事かと、動物達が木の陰や草の茂みから覗き込むのだが、すぐに姿を隠してしまう。

その静寂を破る者が、今、私の前を過ぎていこうとしている。


若者だった。

余りの必死の形相に、私は声を掛けるのを止めてしまった。

若者は、私に気づくことなく、独り呟いていた。

「こんな・・馬鹿な話があってたまるか・・・。」

若者は、疲れきった様子で、私に寄りかかり、苛立ちを募らせて地面に何度も拳を打ちつけた。

しばらくすると、頭を抱えてそのまま動かなくなった。


この若者の話をしよう。

彼は、嘗て「永遠」だった。

死もない、老いもない、時間という檻に囚われない
「永遠」を手にしていた。

彼にとって、「永遠」は、決して終わることの無いもののはずだった。

変わることの無い時間の流れの中で、何をするでもなく、
ただ在り続けることに何の疑問も抱かず、浮かんでいた。

彼にとっての「永遠」は、突如終わりを告げることとなった。

老いというものが、彼に迫った。

彼は、何が起こったのかも分からず、瞬く間に若者へと変わった。

「永遠」が終わってしまった瞬間だった。

その瞬間、彼は「死」の恐怖に怯え始める。

それは、すぐ側まで、迫っていたのだから、当然ともいえる。

なぜ、彼の「永遠」が終わってしまったのかは、私に聞いてほしい。


話を戻そう、再び彼の元へ。

動かない彼に向かって、遠くから声が掛かる。

「馬鹿な話?「永遠」がなくなったことがか?」

彼は、声を聞いたとたん素早く立ち上がると、わき目も振らずに走り出してしまった。

後ろから追い討ちを掛けるかのように、声が響いた。

「死ぬのが、そんなに恐ろしいのかっ?!」

その声の主は、彼が去ってしばらくしてから、私の前に現れた。

先ほどの、若者と同じ顔の人物だったが、彼より年上な印象だった。

私は思わず、声を掛けた。

「貴方は彼?」

彼は、少し驚いた後、小さく笑って頷いた。


私は、夢中で逃げた。今何所を走っているかなど、どうでもよかった。

私から「永遠」を奪ったのは、紛れもない「私」だ。

なぜ、私自身が、「永遠」を奪ったのかは、私には分からない。

いや、分かりたくも無い!!

私は「永遠」でなくてはならない。

こんな風に、常に死の恐怖に怯えるなど、あるはずが無いのだ。

私は、必死に叫んだ。

「私は、「永遠」なのだ」と。


そんな私を、あざ笑うかの様に、「私」が立ち塞がる。

「あんたは、もう永遠じゃぁない。」

「そんな、はずはない!!」

私は、必死に否定する。

そうしなければならない、あの私は、「未来」の私だ。

「いい加減、認めろよ。現実を受け入れろ。
  お前は着実に俺に向かって歩いているんだ。」

「未来」を否定しなければ、私の「永遠」は帰ってこない。

「私は、お前にはならない!私は「永遠」でいたいんだっ!!」

向こうの、私はあきれ果てたように、ため息をついた。

「じゃぁ聞くが、お前は「永遠」から、何を学んだんだ?」

「未来」の私が放った言葉に、私の怒りは頂点に達した。

「学ぶ?何を学ぶ必要がある。
 「永遠」によって老いも、死もないその空間に居続けるだけでいい。
 何かを、考える必要などどこにも、ありはしない。」

私の言葉を聴いた、「未来」の私はさらに深いため息をついた。

「あぁ、そうだな「永遠」からは、何も学べない。
 生きる喜びも、死への恐怖も、空腹に困ることもない。
 「永遠」ってのは、つまりは「退屈」なんだよ。
 生きているという実感もなく、ただ浮いているだけなんて・・
  退屈以外の何ものでもない。」


私は、「過去」の私が大嫌いだった。
 
「永遠」にしがみついて、必死になって「永遠」を取り戻そうとした。

もう、取り戻せないことも、本当は知っていた。

それでも、「死」や「老い」に怯えたくないばかりに、
必死にしがみついた不様なほどに・・・。

「過去」の私を見るたびに、自分がこれほどまでに、
醜く哀れな存在かを、思い出す。

しかし、私に「過去」は切れない。

「過去」を断ち切るのを許されているのは、「現在」の私だけ。


「「過去」の私の言い分も分かります。
  もちろん「未来」の私の言葉も、よくわかります。」

けれど、私が選ぶのは、「過去」でも「未来」でもない。

そう、「現在」だけ。
 
                        終わり。

続きという名の、あとがきでございます。


書いてる途中で、今しゃべってるのは誰かわからなくなtt(ノ∀`)

ちなみに、登場人物。

「過去」「未来」「現在」の私。と「木」です。

ちょっとパラレル入ってます。


最後、現在の私がどーしたかって?(ご想像にお任せします。ぁ

おいらの、脳内では、2人共ぶった切りました(マテ


この話で、伝えたいことは「永遠」なんてくだらねー、
「死」があるからこそ、必死に生きようとする。
様は、「今」を大事にしろってことで(本当k


次回作は、ゆるい昔話にする予定です。
 ご期待下さい(`・ω・´)



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